カーボンナノチューブって一体何に使えるの!?驚異的な特性を持つ未来材料を解説!
カーボンナノチューブ(CNT)は、グラフェンシートを筒状に巻いた構造をした、炭素原子だけで構成されるナノスケールの材料です。その直径はわずか数ナノメートル、つまり人間の髪の毛の1/10000程度しかありません。にもかかわらず、CNTは驚くべき強度と電気伝導性を持ち、さらに熱伝導率も非常に高いという特性を備えています。これらの特徴から、CNTは21世紀の材料として、様々な分野で注目されています。
CNTの驚異的な特性!
CNTの特性は、その構造によって大きく左右されます。巻かれたグラフェンの層の数(Chirality)や直径によって、電気伝導性や機械的強度が変わってきます。例えば、(n,m) Chiralityと呼ばれる記号で表現されるCNTでは、nとmという値によって異なる特性が示されます。
Chirality | 電気伝導性 | 機械的強度 |
---|---|---|
(n,0) | 金属性 | 高い |
(n,n) | 半導体性 | 中程度 |
(n,m) (n≠m) | 半導体性 | 低い |
CNTの持つ驚くべき特性をまとめると、以下のようになります。
- 高い強度: 鋼鉄の100倍もの強度を持ち、軽量であるため、航空宇宙分野などでの応用が期待されています。
- 優れた電気伝導性: 金属のように電気を効率よく伝えるため、次世代のトランジスタや電池、センサーなどに利用できます。
- 高い熱伝導率: ダイヤモンドに匹敵する熱伝導率を持ち、電子機器の冷却材として活躍することが期待されています。
CNTの製造方法って?
CNTの製造方法は、大きく分けて3つあります。
- アーク放電法: 炭素電極をアーク放電によって加熱し、気化した炭素からCNTを生成する方法です。比較的単純な方法ですが、生成されるCNTの純度が低いという問題があります。
- 化学気相成長法(CVD法): 触媒金属上に炭化水素ガスを供給することで、CNTを成長させる方法です。高純度で高品質なCNTを製造することができます。
- レーザーアブレーション法: レーザー光をグラファイトに照射することで、CNTを生成する方法です。
CNTの用途は無限大!?
CNTは、その優れた特性から、様々な分野での応用が期待されています。以下に、いくつかの例を挙げます。
- 電子デバイス: CNTは、トランジスタやLED、太陽電池などの電子デバイスの材料として利用されます。高速で低消費電力な電子デバイスの実現に貢献すると期待されています。
- 複合材料: CNTを樹脂などに混合することで、強度と軽量性を高めた複合材料を作ることができます。航空機や自動車などの軽量化に役立ちます。
- 医療分野: CNTは、薬物送達システムや診断ツールなど、様々な医療分野での応用が期待されています。
CNTの未来
CNTは、まだ研究開発段階にある材料ですが、その可能性は無限大です。今後、更なる研究開発が進み、CNTの特性を最大限に活かした製品が開発されると、私たちの生活は大きく変化するでしょう。